きれいにたたむと湿気対策と虫対策
着物の収納方法でお困りですか?
最近は、特別な日に着物を着て“和をまとう1日”を楽しむ女性が増えているようです。小さいころは、着せてもらった記憶があっても、
その後しばらく着物から遠ざかってしまう方が多いのではないでしょうか?
つまり、大人になってから初めて手にした着物。
新しく買ったものであったり、身内から譲り受けたものであったり、
品質も様々だと思いますが、いずれにしてもキレイに保管をする必要があります。
その対策のポイントは3つ。
1. 湿気
2. しわ
3. 虫食い
では、順に収納方法を見ていきましょう。
1. 湿気
<着た直後>着物に限ったことではありませんが、湿気は大敵です!
布団、洋服、革小物、楽器類、食料品も…日本は湿気大国ですから、
常に湿気に気を配りながら、カビと闘っているのが実情ですね。
着物を着たら、必ず乾燥しているところに干して、湿気をとばします。
その時に注意することは、“風通しが良い、日かげが理想的”ということです。
直射日光が当たるのは、生地を痛めますし、変色の原因にもなりますので、NGです。
午前中から16時くらいまで干すのが良いとされていますが、
うっかり西日が当たってしまうことがないように、ご注意ください。
そして、きちんとたたんで、たとう紙に包んで収納します。
ポリ袋は湿気が中にこもってしまいますので、使用しません。
また、収納するケースや引き出しには、乾燥剤を適量入れます。
<年に1回>
収納している着物も、そのままではやはり湿気がこもってしまいます。
それに、1年に1回必ず着る着物ばかりではないでしょう。
そこで、年に1回、全ての着物を出し、吊るして“虫干し”をします。
害虫を取り除く目的もありますので、最低年1回、できれば2回が理想とされています。
一番適している季節は、冬です。
晴天が続き、1年で最も乾燥している1月〜2月上旬頃が最適です。
正午を挟み、4〜5時間風通しの良い部屋で、衣紋掛けにかけて吊るします。
この時も、冬は日光が低く、案外室内に日が差し込むことがありますので、注意が必要です。
この時期の虫干しを“寒干し”と言います。
他には、梅雨明け後行う“土用干し”でも、
梅雨の湿気を取り除く目的ですることがあります。
部屋の環境上、どうしても虫干しが無理な場合、
せめて乾燥している日には収納ケースの蓋を開けたり、
引き出しを開けるなどして湿気をにがしましょう。
これは、年1回ではなく、頻繁に行うようにしてください。
2. しわ
どんなに素敵な着物でも、しわがあったら美しさ半減(全滅!?)です。着物は、洋服のように立体的ではないので、比較的簡単に、平らにたためます。
しかし、思わぬ部分にしわが寄ったまま収納されていては、
濡らしてアイロンを充てるわけにはいきませんので、なかなか修復が困難です。
たたみ方を紹介している動画はたくさんありますので、
いくつか見たらだいたい覚えられそうです。
ここでは、初心者向けに丁寧に説明しているものを1つご紹介しましょう。
◎着物のたたみ方(基本)
3. 虫食い
これは、絶対に避けたいですね。穴があいてはその着物が台無しですし、そこまで行かなくても虫がいると知ったら気分も悪いです。。。
虫にやられそうな素材はウールです。絹はほとんど被害にあわないそうです。
また、ポリエステル素材も、虫は食べないので穴があく心配はありません。
特にウールの場合には、防虫剤を入れて虫の侵入を防ぐのですが、
この時に複数の防虫剤を一緒にいれてはいけません。
成分が違うので、思わぬ化学反応を起こしかねません。
また、多ければ良いわけではありませんので、適量を入れるようにし、
取り替え時期が来たら忘れずに新しいものに替えましょう。
そして、1.の湿気対策こそが、防虫にとって非常に必要なことです。
桐ダンスじゃなくて大丈夫?
桐は、湿気を寄せ付けにくいので、
着物の保管には最適であると昔から言われてきました。
そのため、着物と和装小物を収納するための和ダンスが、
洋服ダンスとは別にある家庭が多かったのですが、桐箪笥は高価であり、
たった1、2着のために和ダンスは不要と思われたり、インテリアに合わない…
などの住宅事情からも、代替品として洋服ダンスやプラスチックの
衣装ケースも利用されています。
その場合は、少し注意が必要です。
まず、正しいたたみ方をし、たとう紙に包むところまでは
きちんとされることをおすすめします。
その状態で平に入れられる大きさが理想です。
また、湿気がこもりますので、乾燥している日には、
フタをあけたり引き出しを開けておくなど、こまめに湿気対策をしてください。
そして、最低年に1回は必ず虫干しをし、
収納の際には防虫剤と乾燥剤を忘れずに入れます。
特に変わったことをするわけではありませんが、桐箪笥でない分、
より細かく気を配っていると、
大切な着物を長い間良い状態を保つことができるでしょう。