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お盆には正しい献立や作法でお供えしましょう
地方によって異なりますが、8月13日にお墓参りをして、
亡くなった方の魂を自宅に連れて帰り、おもてなしをします。
そして16日にお墓に再びお連れし、お見送りします。
この4日間において、各家庭でご先祖様や亡くなった方を祀る
一連の行事が、お盆の供養です。
最近では年末年始やお盆もお休みがない方が多く、
昔のように誰もが長いお盆休みをとって、お盆の行事をすることは、
やや困難かもしれません。
しかし、いつも私達家族を見守っていてくれるご先祖様に、
不作法のないおもてなしを志すことは大事です。
馴染みのない世代には、少々堅苦しく感じるかもしれませんが、
できることを心を込めてしてさしあげましょう。
きっと喜んでくださることと思います。
ここでは、お供えのお膳の献立や作法、
並べ方についてご紹介します。
(※宗教、地域、慣習により、必ずしも絶対的なきまりではありません。)
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お盆には一汁五菜で霊供膳という精進料理をお供えします
通常、仏壇にお膳をお供えする時は、その日に家族が食べるものを
お供えするケースが多いと思いますが、お盆は法事と同じで、
霊供膳という精進料理をお供えします。
まず、「お盆棚」という、祭壇を用意し、そこに料理を並べます。
お盆棚の用意がない場合には、小さな机にクロスをかけたりし、
仏壇の前に置いてそのスペースを作ります。
次に、メインとなる精進料理ですが、これは「一汁五菜」で、
その献立も細かく決まっていますので順に説明していきます。
◎白米(一汁五菜に含まず)
◎汁碗・・・絹豆腐のすまし汁に三つ葉をきざんで浮かべる
◎漬物皿・・・きゅうりと茄子の浅漬け(一汁五菜に含まず)
◎平皿・・・がんもどき、いんげん、結び昆布の煮物
◎つぼ・・・ひじき
◎猪口・・・煮豆
◎小皿・・・きんぴらごぼう
◎膳皿・・・大根、人参、きゅうり、薄揚の胡麻あえ
漬物のきゅうりと茄子は、馬と牛に見立てて
丸ごとお盆棚にお供えする風習もあります。
これには、馬や牛に乗ってご先祖様が
早く家にやってくるようにという願いが込められているそうです。
馬や牛に見立てるために、4本の足のように
割り箸などを刺して自立させます。
さらに馬のしっぽに見立てるために、
きゅうりにはトウモロコシの毛の部分を刺します。
見たことない人にとっては、この発想に驚かれると思います。
このお膳とは別に、「水の子」と呼ばれる米と野菜の品を用意します。
お米を研ぎ、茄子、人参、きゅうりを
小さなサイコロ状に切ったものと合わせます。
本来はハスの葉を下に敷いて盛るのですが、
手に入れるのが難しいですので、他のもので代用してもよいでしょう。
この「水の子」は上記一汁五菜の精進料理とは違い、
私達が食する献立ではありません。
これは、たくさんの人に行き渡るように…と、
細かい米粒や野菜をお供えするようです。
お供えのお膳の作法と並べ方
心を込めて作った精進料理を並べていきます。
ここで間違えやすいのは、向きです。
ご先祖様が召し上がるので、自分から見て逆向きに並べます。
まず、一番向こうに箸を置きます。
こちらから見て、手に持つ方が左にきます。
そして、左に汁碗、右に白米、その間に漬物を置きます。
中央の列には、中心あたりにつぼと猪口を置きます。
一番手間は、左から膳皿、小皿、平皿と並べて完成です。
食器は必ずしも塗りのものでなくても、
普段使っているもので構いません。
料理も、必ずしも全く同じにしなくてもよいのですが、
大切なのはご先祖様への恩返しのつもりで、心を込めてもてなすことです。
お盆前にお迎えにきてもらい、あたたかくもてなしてもらえたら、
ご先祖様はきっと喜ばれると思います。