現代ではお正月の季節によく食べられる「餅」ですが、かつては軍の食糧として重宝していたことをご存知でしょうか?
縁起が良いものとして「餅紋」という家紋になっていたのです。食べ物をモチーフとした家紋は珍しいですが、どのような紋だったのでしょうか?
今回は、「餅紋」の由来・意味・種類や、家紋に用いた戦国武将、竹中半兵衛の歴史、そして関連した家紋についてご紹介いたします。
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餅紋の意味・由来とは?
読み方 | もちもん |
家紋の分類 | 器物紋 |
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<< |
餅は保存性の良さから軍人の食糧に用いられ、また朝廷の式典にも使用されました。
「もち」は餅と書きますが、「持」や「保」にも通ずることから縁起の良い食べ物として扱われました。
餅紋は餅をそのまま図案化したもので、一般的にはシンプルに円形で描かれ、白餅や黒餅などがあります。
使用者は黒田氏が有名で、はじめは白餅だったものが、黒田氏が用いたことで後に黒餅に変化しました。
そして、餅紋のほとんどは黒で表すようになります。 餅紋の使用者には他に、五十嵐氏、竹中氏、安信氏、浅野氏などがありました。
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餅紋の種類いろいろまとめて解説
黒餅 |
白餅 |
丸に重ね餅 |
菱餅 |
餅は、家紋ではこのようにシンプルに表現されました。冒頭でもお話しましたが、黒い丸をしたものは「黒餅」、白抜きした白いものは「白餅」と呼ばれていましたが、黒田氏が餅紋を使用していたことで、黒餅の方がメジャーなものになっていました。
また、「丸に重ね餅」という2つの餅をモチーフにしたものや、「菱餅」と言って菱型をした餅紋もありました。菱餅は桃の節句に飾るものとしても馴染みがありますよね。
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黒餅の中に別の家紋を入れた
また、餅紋は中に他の紋を入れて家紋に用いられていました。その際、餅紋のことは「石持ち」と呼ばれています。
その呼ばれ方は、「家紋を持っている」ことが「石高を持っている」に通ずることに由来しています。種類としては、このような紋がありました。
石持ち地抜き梨の切り口 |
石持ち地抜き卍 |
石持ち地抜き抱き角 |
石持ち梔子 |
このように植物紋や動物紋などあらゆる家紋と組み合わせられ、そのほとんどが黒餅でした。
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竹中半兵衛の家紋「黒餅」
竹中半兵衛が使った2つの家紋の由来と人物像に迫る豊臣秀吉にも認められる力量を持っていた竹中半兵衛は、2つの家紋を使用してましたが、その1つが「黒餅紋」でした。
餅紋の代表的な使用者でもある黒田氏の、黒田官兵衛から譲り受けたことで家紋に用いるようになります。
そして、使用していたもう1つの家紋は「九枚笹」です。武将たちによく使用された家紋で、竹はぐんぐんと成長することから「猛々しい」という意味に通ずるとして人気となっていました。
上記の記事では竹中半兵衛の歴史的ストーリーについて詳しくご紹介していますので、是非合わせてチェックしてみてくださいね。
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餅をつくアイテム「杵」も家紋になっている!
餅と言えば餅つきですが、日本ではかつてからお祝いの際に餅をつく文化がありました。その際の必須アイテムである「杵(きね)」も、家紋のモチーフとなっています。
当時杵には2種類あり、ある一方の杵がデザイン化され、縁起の良い家紋として用いられていました。
詳しくはこの記事をチェック!
こちらの記事では詳しく「杵紋」について解説していますので、合わせてチェックしてみましょう!
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まとめ
かつては軍の保存食でもあった餅をモチーフにした「餅紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
家紋にはいろいろな種類がありますが、食べ物を使用した紋は珍しいものです。餅つきでセットの杵も家紋になっているのは面白いですよね。
餅と杵、どちらも縁起の良い家紋ですので、両方とも是非よく見てみてくださいね。
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