現在でも農家さんなどで使われている「鎌」は、稲などを狩る時には欠かせないアイテムですが、この鎌も家紋のデザインに用いられていました。
同じ形状の鎌を複数描くことにより、様々なデザインにアレンジされている面白い紋でもあります。
鎌は農業道具の一つですが、鎌が家紋として用いられるのには、鎌が持つ意外な意味合いや、信仰的な理由があったのです。
今回は、「鎌紋」の由来や意味・種類を解説する他、鎌紋の代表的な使用者である小早川秀秋の歴史についてご紹介したいと思います。
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鎌紋とはどんな家紋?由来・意味を解説!
読み方 | かまもん |
家紋の分類 | 器物紋 |
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鎌は稲などの作物や植物を刈るための農具の一つで、湾曲している刃を持っています。農業を営む家には欠かせないもので、現在も使用されている道具です。
但馬地方では、かつてから稲の収穫後に「鎌祝い」という清めた鎌三方に乗せて供える行事がありました。そのような行事により、鎌は農具でもある他に「邪気を祓う」意味も持っていました。
鎌は神社の神紋にも用いられ、神格化されたと言われています。長野県の諏訪神社や、戸隠神社が神紋として鎌紋を用いています。
鎌紋が家紋として用いられるようになったのは、諏訪神社の影響が大きいと言われています。諏訪神社の神紋であったことから、諏訪神社を信仰していた武家の間で取り入れられるようになりました。
また、風を鎮めて豊作を祈る宗教的な意味合いから家紋に用いられるパターンもありました。
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鎌紋の種類いろいろまとめて解説
一つ鎌 | 丸に違い鎌 |
三つ組み鎌 |
四つ追い鎌 |
四つ鎌角 |
鎌卍 |
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入れ違い鎌 |
鎌紋の種類をいくつか見てみましょう。鎌一つをモチーフにしたものは少なく、ほとんどが複数の鎌を描いています。
家紋では「輪紋」の中に紋を入れたものが多く存在しますが、鎌紋にも輪と組み合わせた「丸に違い鎌」があります。
また鎌の湾曲しているところを活用して、複数の鎌で円形や四角形を構成しているデザインも豊富です。「四つ追い鎌」や「四つ鎌角」、「五つ鎌車」はその例です。鎌を繋げて描くことで上手いこと図形を構成していますね。
鎌は農具でありますが、武士が鎌紋を使用していたのは鎌を武器として「敵をなぎ倒す」意味合いや、「戦勝の願い」が込められていたからと言われています。
長野県の戸隠神社では、「鎌卍(かままんじ)」が神紋となっています。「卍」は漢字ではなく梵字で、「幸運福来」の意味が込められていました。
諏訪神社でも「梶紋」と合わせて鎌紋が用いられており、全国的に神社の神紋として用いられていることの多い紋です。
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小早川秀秋の家紋「丸に違い鎌」とは?
小早川秀秋の家紋「丸に違い鎌」を解説!裏切り者の代名詞になってしまった戦国武将<丸に違い鎌>
「小早川秀秋と言えば裏切り」と言われることの多い人物ですが、元々は豊臣秀吉の養子でもありました。
「丸に違い鎌」を家紋に用いていた小早川秀秋の詳しい情報は、上記の記事でご紹介しています。
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まとめ
欠かせない農業道具の一つ「鎌」を使用した「鎌紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
鎌紋が用いられるようになったのは、諏訪神社の影響や豊作を祈ることが関係していたことがわかりました。
農具でありなが、信仰的意味合いと戦勝の意味合いを掛けて武士が用いたのは意外でしたね。同じ形状の鎌をいくつも描いて様々な図形にアレンジしていたのも、昔の人が考えたデザインだと思うと何だか面白いですよね。
全国的にも神社の神紋として用いられていることが多いので、神社に訪れる機会がある際には是非探してみてください。
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