地紙紋の家紋の意味・由来を解説!器物紋の一種

現代でも夏の時期になると「扇子」が販売されていますが、かつては扇は必須のアイテムでした。

その扇の中には、自分の好きな紙を土台として貼り付ける風習があり、「地紙」と言いました。地紙を使用した「地紙紋」には様々な種類がありますので、ご紹介したいと思います。

それでは、「地紙紋」の意味・由来・種類や、関連する家紋について見てみましょう!

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地紙紋の意味・由来とは?

読み方 じがみもん
家紋の分類 器物紋
>>家紋辞典で他の家紋もチェック<<

地紙は、扇の骨に貼る紙を指します。江戸時代には自分の好みの地紙を貼る風習があり、家紋としては扇紋のアレンジ版として誕生しました。

末広がりの形をしていることから瑞祥的な意味を持つ家紋です。

地紙単体をモチーフにしたものは少なく、地紙の上に他の紋を組み合わせたデザインの紋が多く存在しています。

全国的に見られる家紋ですが、特に西日本で多く見られ、源氏流の徳山氏や吉田氏、藤原氏流の中村氏や徳永氏が使用していました。

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地紙紋の種類いろいろまとめて解説

地紙紋にはどのようなデザインのものがあったのか、2つのタイプに分けてご紹介いたします。

「地紙のみ」で構成された紋

地紙

重ね地紙

三つ重ね地紙

三つ捻じ地紙

中輪に地紙

細輪に陰陽重ね地紙

三つ地紙

陰捻じ地紙

まずは「地紙のみ」で描かれた地紙紋です。地紙は扇に貼り付ける土台となる紙なので、どれも湾曲した形をしています。

枚数は1枚から3枚ほどのモチーフで、複数描かれたものは上下に重ねたり3枚を円形になるように組み合わせたりしたものがあります。

基本的には黒で描かれたものが一般的ですが、中には白抜きの「陰(かげ)地紙」というものもあります。家紋では白く描かれる際は「陰◯◯」と呼んでいました。

「三つ地紙」と「捻じ地紙」は色違いの紋にも見えますが、よく見ると地紙の向きが異なっています。

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「地紙+別の紋」で構成された紋

陰地紙に桔梗

中陰地紙に木瓜

地紙に地抜き三つ巴

地紙に三階菱

地紙に日の字

石持ち地抜き地紙に一

三つ地紙に地抜き洲浜

丸に地紙に片喰

もう一つは「地紙に別の紋や文字」を描いた地紙紋です。桔梗・木瓜・片喰などの植物と組み合わせたものや、巴・菱・州浜など他のカテゴリーの紋も使用されています。

州浜とは…浜辺にできる島型の洲のこと
組み合わせられている紋はどれも独立した家紋が存在しています。それぞれ別の記事で詳しくご紹介していますので、合わせて見てみましょう。

「地紙に三階菱」とは大小大きさの異なる菱を縦に並べたもので、桃の節句には菱餅を飾るように縁起の良いものとされていました。

それぞれに由来や意味合いが込められているので、是非いろいろな紋について見てみましょう。

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「扇紋」はまた別に存在する!

「地紙」とは扇の土台となる骨に貼る紙のことを指しますが、その扇をモチーフとした紋は「扇紋」として独立しています。

扇紋には非常に豊富な種類があり、下記の記事内で詳しくご紹介しています。地紙紋と合わせてチェックしてみましょう!

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まとめ

扇の中の土台的な役割をしている地紙をモチーフとした「地紙紋」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

扇紋とは別の紋になりますが、形は扇型のように湾曲しており、いろいろな紋と組み合わせることで種類が豊富にあり、様々な家によって使用された紋となっています。

完成した扇をモチーフとした「扇紋」について別途紹介していますので、そちらの方も合わせてチェックして比較してみてくださいね。

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