旬の時期は春・秋とされるものの1年中手に入れることのできる「あさり」は、その旨味エキスのおかげで料理の旨味がアップする万能な貝の一つです。
買ってきて砂抜きをしようと取り出してみたけれど中途半端開いている!そんな経験をしたことはありませんか?
私もこれと全く同じ経験があり、調理して半開きのあさりを無理やりこじ開けて食べてしまいました。この状態のあさりは死んでいるのでしょうか?
今回は、「半開きのあさり」をフォーカスし、その状態について詳しくご紹介したいと思います。
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半開きのあさりは腐ってるの?
半開きのあさりには、3つの状態が考えられます。
①あさりが弱っている
死んでいないけれどあさりが弱っている時、調理すると完全に開くことができず半開きになることがあります。
それには砂抜き中の塩分濃度が深く関係しています。本来あさりが住んでいる海の塩分濃度は3%です。家庭で砂抜きをする時も、この海の状態に近づけるよう塩を入れた水の中に入れるかと思うのですが、濃度が3%よりも低いとあさりが弱ってしまうのです。
あさりは自分の力で貝を開閉して生きているものですので、弱ると閉じる体力がなくなってしまい、結果半開き状態になってしまう、というわけです。
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②「冷眠」という保存状態に入っている
あさりはその鮮度を保つために「冷眠」という方法でスーパーに並べられます。特に食材が傷みやすい夏の時期に多く見られる方法です。
冷眠とは、パック内の温度を1〜5度という冷蔵庫以下の温度に保ち、あさりの活動を強制的に抑える方法です。
あさりは冷眠状態にされると通常の体力が奪われますので、運動量・呼吸量が共に減り、それによって長期間保存することが可能となります。
この「あえて活動を休止させられている状態」により、管が出っ放しになっていたり半開きの原因となるのです。低温によるものなので、塩を入れた常温の水に戻すことにより、1時間程度で元の元気な状態に戻ります。
スーパーで買ってきて家で見てみたら半開きでなんだか死にかけている?と思うかもしれませんが、鮮度と美味しさをキープするための方法なのです。
③死んでいる
①でも②でもない場合は、完全に死んでしまっている可能性があります。死んでしまったあさりは活動が停止し、自分の貝を開閉する力もありませんのでダランとした状態になってしまいます。
常温に戻して砂抜きをしてからいくら経っても半開きのまま反応がない場合は、もう食べることはできないでしょう。
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あさりが動かない!死んでる状態を見分ける4つのポイント
砂抜きをしても全く貝が動かない!そんな時は生きているかどうかチェックしてみましょう。あさりが死んでしまっている場合は、いくつかの状態になることがあります。
①つついても反応が無い
あさりは砂抜きをしている間、管を出して水の出し入れをしています。こうして循環させることであさりの中の砂を取り出しているわけなのですが、元気なあさりは飛び出ている管をつつくと勢い良く中に引っ込んでいきます。
そしてたいがい危険を感じて貝も閉じてしまうのです。しかし、死んでしまっているあさりはいくらつついても反応が無いものです。怪しげなあさりを見つけたら、生死確認のためにつついてみましょう。
②異臭がする
あさりは死んでからの腐敗が早い食品です。もしも死んでいる場合、腐ってしまい腐敗臭がする場合があります。菌の繁殖速度が早いため、強い腐敗臭がするのです。
③砂抜き中の水が白く濁る
もしも砂抜きをするまでに気づかず、他のあさりと一緒に砂抜きをした場合、腐っているあさりがいるとその水が白く濁るので確認するようにしましょう。
他のものと混ざってしまっている時は、①のようにつついて反応があるかどうかチェックしてみてください。
④加熱しても閉じたまま
砂抜き段階で気づかずに調理してしまった場合、死んでいるあさりはその貝を開くことができません。料理に使ってみたら1つ2つ閉じたままのあさりが混じっていた経験をしたことがあるかと思います。
そのようなあさりを見つけたら残念ですが廃棄するようにしましょう。
特に買ってきてから時間が経ったあさりの中では菌が繁殖していることも少なくありませんので、要注意ですよ。
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鮮度の良いあさりの見分け方
では、鮮度の良いあさりの見分け方についてご紹介します。スーパーであさりを買う時にちょこっと気にして選ぶようにしてみてください。
①貝は閉じているものを選ぶ
先ほどもお話したように、貝が半開きになっているものや完全に開いているものは、あさりが弱ってきている証拠です。
鮮度キープのための冷眠方法を取っている場合はそうではないのですが、通常の販売方法で貝が開いていたら弱っています。
貝はしっかりと閉じているもの、まだあさりが自分自身を支えられているものを選んでみましょう。
②平たい貝を選ぶ
これは意外と思われるかもしれません。「平たい形のあさり」と「ふっくらとした形のあさり」があるならば、平たいあさりの方が美味しいのです。
その理由には、栄養が使われた部分の違いがあります。一見ふっくらしている貝の方が肉厚で美味しいのでは?と思うのですが、貝殻に栄養を使われた浅瀬のあさりなのです。
外見はふっくらしていても、中身はそうでもないことが多いのです。そのため、中身に栄養を使われた沖のあさりの方が栄養を豊富に蓄えています。
ふっくらか平たいか、どんな形なのかよく見ながら選んでみてくださいね。
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残ったあさりは正しく保存しよう
スーパーで多めに買ってきた、潮干狩りで沢山採ってきた、そんな時は正しい方法で長期保存をしてみましょう。
通常、冷蔵庫でのあさりの日持ちは3日程度と言われています。できるだけ早く消費するのがベストですが、どうしてもすぐには食べないという場合には冷凍保存もオススメですよ。
約1ヶ月保存することのできる冷凍あさりの作り方について簡単にご紹介します。
水気をよく切ってから入れることがポイントで、砂抜きが終わったらキッチンペーパーでよく拭き取り、ジップロックに入れて空気を出来るだけ抜きます。
金属バットに乗せて重ならないように広げ、冷凍庫に入れたら完了です。使う時ですが、凍ったまますぐに強火で加熱するのがベストですよ。
まとめ
半開きになってしまったあさりの状態についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?一見死んでしまっている半開きあさりも、「冷眠」という方法によってあえて抑制していることもあるのですね。
買う時の見極めポイントなど、これからのお買い物に役立てれば幸いです。ご家庭で旨味たっぷりのあさり料理を楽しんでみてください。
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